1.権利関係(民法)③代理

はじめに

「代理」についての概要を解説していきます。この法律が「何が目的なのか」「考え方は何なのか」を理解していくことがポイントと思います。ほとんどの方はこの「代理」を頼んだり受けたりしたことがあると思います。

例えばあなたが親だとして、自分の子供に食品などの買い物を頼んだとします。これは「任意代理」という「代理」です。自分が代理人を選定する場合は、未成年でも法律上は問題ないのです。

代理とは?

例えば、本人がサラリーマンで休みを取りにくかったり、不動産の取引のような専門的な知識を要する取引を行う場合は、本人がその行為を出来ない時があります。しかし、だからといって誰でも何でも代理行為が出来る様では、本人や代理人、取引相手に不利益となる様なことになりかねませんよね。

なので、そんなことにならないように、「代理人は誰がなれるのか」、「誰が決められるのか」、「どのような権限があるのか」、「どのようなときに代理権が消滅するのか」、というようなことを明らかにした法律なのです。

代理の種類は大きく分けて「任意代理」「法定代理」の大きく分けて2つがありますが、その他にも「復代理」「双方代理」「無権代理」「表見代理」とありますので、よく意味を理解するようにして下さい。

任意代理

本人が代理人を選び、その権限の範囲を与えること。例えば、「○〇さん、AとBを買ってきてください」と、これだけで成立します。それから、よく学校や会社などで「委任状」ってありますよね、「××の決定権を△△に委任します。」とか書いてある書面。これも代理権に該当します。売買契約時や請負契約時にも委任状はよく使われますね。

法定代理

・親権者や後見人など法律上当然になる場合

・本人以外の人の協議、指定

・裁判所の選任

要するに任意代理以外、ってことになりますね。

復代理

代理人が何らかの理由(仕事など)で代理人を選定する場合を「復代理」といいます。原則、任意代理人は復代理人を選定できませんが、例外として、本人が「他の人に頼んでいいよ」って言った場合と、代理人のやむを得ない場合(病気など)は、選任してもいいことになっています。そして権限は代理人と全く同じで、復代理人に委任した後も代理権は継続します。逆にいえば、「他の人に頼んだから、私は知りません」では困りますよね。

無権代理

無権代理とは、本人が頼みもしないのに、代理行為を行うことです。

例1)Aさんの物を息子のBさんが、Aさんに無断でCさんに売却してしまった。これを無権代理といい、この取引は無効です。

例2)例1)のケースでも、Aさんはもともとその物を手放す予定だったので、「そのままでいい」と言いました。これを追認と言い、通常の代理行為となり有効になります。

表見代理

表見代理とは、実際は代理権がないのに表面上代理権があるように見せる、無権代理の一種です。

例)AさんはCさんに対して、Aさんの家をBさんが代理で売却します。と表示していたにもかかわらず、実際は代理権を与えていなかった。Cさんはそのことを知らされていなかった。

Aさんはこのことを知っている(悪意)ので責任があり、またCさんは善意(知らなかった)のため、表見代理が成立します。したがって有効となります。

自己契約・双方代理

・自己契約:自分の法律行為について、相手方の代理人となること

・双方代理:1人の代理人が双方の代理人となること

本人にとって不利になり、利益を害する恐れがあるため、どちらも禁止されているが、例外として本人があらかじめ許諾している場合と、本人に不利益を生じさせない単なる債務の履行や登記申請などの行為は認められる。

まとめ

「代理」の種類による違いや、要件、例外規定もよく理解するようにしましょう。この下にレジュメを貼っておきますので、参考にしてくださいね。↓そして、過去問に取り組みましょう。

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